前回のブログで溶接記号の内容を正確に理解し覚えておくのは難しい!!

 

と書きましたが、つい最近「溶接」とじっくりと向き合う機会が訪れました。

 

昨年、お客様からある図面のお見積依頼がありました。

 

それは円筒状でハットタイプの帽子のような形状でした。

 

サイズはφ1600ほどで溶接記号も無かったため、私は切削加工品だと思い込み、

 

大物切削加工が得意な加工業者さんへ見積依頼しました。

 

その後、切削加工業者さんからの回答をもとに、お客様へ見積書を提出しました。

 

その2ヶ月後、再びお客様から再見積りのご依頼がありました。

 

理由は他の加工業者さんが見積辞退されたため、弊社へ注文する予定

 

時間も相当経過しているため、改めて価格・納期を知りたいとのことでした。

 

私は加工業者さんへその旨を伝え、図面変更箇所の有無や価格・納期の確認を行いました。

 

その後加工業者さんから、「図面内容の変更無し、価格・納期」について回答があったため、私もその通り回答しました。

 

その時点で、私も加工業者さんも図面から加工方法をイメージしていれば何の問題も無かったのですが…。

 

回答後すぐにお客様からご注文いただき、私は加工業者さんへ製作依頼を行いました。

 

1ヶ月後加工業者さんから突然連絡がありました。その内容は・・・

 

「底面プレートと立ち上がり部を3分割、2分割にし、溶接構造に変更したい。」

 

な、なんと!?

 

図面に溶接指示は一つもありません!!にも関わらず溶接って??

 

めちゃくちゃ混乱した私は、すぐに返答できません。

 

加工業者の担当者さん曰く、「見積時から溶接構造をイメージしていたが、伝達が漏れていた。」

 

ここで私も頭をフル回転させます!!その結果・・・

 

図面で加工方法をしっかりとイメージ出来ていなかった私にも責任ある!

 

しかし、どうする・・・?

 

他の加工業者さんが見積辞退した理由が分かりました…。何故あの時に気づかなかったんだと、本当に悔やみました。

 

その後、お客様へお詫びと事情説明を行いました。

 

この形状で溶接記号が入っていない図面ということは、お客様は一体物を希望されているハズ!

 

私は訪問前に、切削加工で本当に対応できないのか?3Dプリンタ造形は?アングル材をロールベンダーで行うのはどうだ?

 

などなど、あらゆるケースを調べ尽くしましたが、どれも対応不可との結論に達しました。

 

お客様へその旨をご説明したところ、ご理解いただき溶接構造へ変更いただけることになりました。

 

ご対応いただいたお客様には本当に感謝するしかありませんが、次は何があっても失敗は許されません。

 

どのような溶接を行えばお客様の求める品質が保つことができるのか?

 

そのためには加工業者さんの溶接技術のレベルを知ることが必要です。

 

お客様のご希望と加工業者さんの技術の狭間で、「最適な手法」を導くのが私の役目です。

 

何度も打合せを重ねる中で、ようやくお客様から改定図面を出図いただきました。

 

実際の製作はまだこれからですが、崖っぷちの中で調べ尽くした溶接・・・

 

逃げ場のない緊張感の中で取り組む仕事の密度に勝るものはなく、得られるのは大きな経験です。

 

これで「絶対に溶接内容と記号を忘れることはない!」と断言できます。



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