特殊寸法のキー溝加工を受注!ブローチ加工・スロッタ加工・ワイヤーカット?どれで行う?
先日農業機械メーカー様からフランジ部品のお見積依頼がありました。
図面確認したところ、キー溝の幅寸法が “4,76” で、ミリを基準としたJIS規格ではなく、インチサイズでした。
「何故インチサイズなのでしょうか?」とお客様に確認したところ、
お客様で製造されている農業機械に搭載しているエンジンが生産終了となり、
代替品を探したところ、アメリカメーカーのエンジンが適合したそうです。
エンジン側の軸キー溝がインチサイズになっており、相手側であるフランジも
同寸法でキー溝の加工を行う必要があるとのことでした。
そういえば過去に他の農業機械メーカーさんからも、本件と同じエンジンメーカーさんのエンジンの生産が終了して
困ったという話を聞いた事があります。エンジンメーカーさんにとっては「選択と集中」の結果だと思いますが、
ユーザーさんは一大事です!!
さて話は戻り・・・試作品のみならばワイヤーカット加工で問題無く製作可能ですが、
量産採用を見据えると、試作と量産で製作方法を変更することはリスクがあります。
よって、ワイヤーカット加工を得意とする試作品が主の加工業者さんではなく、
ブローチ加工による量産品を得意とする加工業者さんに見積を依頼しました。
ブローチ加工はワイヤーカット加工と比べ量産時の加工費を大幅に軽減できます。
ですが問題は、加工業者さんがインチサイズのブローチ棒を保有されているか?
もし保有されていない場合、ブローチ棒の製作だけで20万円ほどかかります・・・。
私は主に農業機械メーカーさん向けにブローチ加工を行っている加工業者さんに見積を依頼しました。
なぜなら、他農業機械メーカーさんもエンジンを国内メーカーから海外メーカーへシフトしている状況を受け、
インチサイズのブローチ棒を保有されている可能性があると考えたからです。その結果は・・・
予想的中!!インチサイズのブローチ棒を持っておられました!!
我ながらお客様が見積を依頼される「経緯」「背景」を正確に把握し、それに自らの「知識」「経験」を
アッセンブルできたことで最良の見積回答が行えました!!