巻きばね

私、Mr.Tがヴィッセル神戸の大ファンというのは皆さまご存じかと思います。(笑)

 

サッカーJ1リーグは残すところあと2試合です!

 

なんとヴィッセル神戸は現在単独首位!!

 

連覇が見えてきました。

 

そしてリーグ戦とは別に、天皇杯というカップ戦の決勝進出も決めています!

 

私が次回ブログを投稿する時には全ての結果が出ているので、

 

ハイテンションで優勝報告できるよう、試合時は熱い応援をしたいと思います!!

 

では、本題に移ります!

 

先日お客様より「腐食に強い材質で巻きばねを作ってほしい」と連絡をいただきました。

 

耐食性に優れた材質といえば、当ブログで何度も登場しているステンレスがパッと思いつきます。

 

お客様に詳しくヒアリングすると、

 

「前回の耐久試験でステンレスはボロボロになってしまいました。」

 

と仰られ、私の目の前には、触ると崩れそうな ”ばねの形をした真黒なモノ” がありました・・・

 

さらに材質はステンレスの中でも特に耐食性に優れるSUS316でしたので、驚愕です!

 

なぜ耐食性に優れるSUS316がここまで腐食が進んでしまったのでしょうか?

 

試験環境についてヒアリングすると、 ”次亜塩素酸ナトリウム” が使用されていることがわかりました。

 

ステンレスが腐食する原因の一つに、強酸や強アルカリ性などの過酷な環境下での使用が挙げられます。

 

次亜塩素酸ナトリウムは強アルカリ性の塩素系薬剤になるので、腐食の原因となった可能性が高いです。

 

当ブログでも度々ご紹介していますが、

 

ステンレスが耐食性に優れる理由は、ステンレスに含まれるクロムによって不動態皮膜が形成されるためです。

 

皮膜が損傷した場合でも、モリブデンが腐食の進行を止め、クロムによって皮膜が再生するという特性があります。

 

 

上述した過酷な環境下では、不動態皮膜の再生よりも腐食の進行が早く、ステンレスでも腐食してしまうそうです。

 

ではステンレス以上に優れた耐食性を持つ材質は存在するのでしょうか?

  

ネットで調べてみると、

 

チタン合金、ニッケル合金、銅・・・と意外にあるようです。

 

ここから選定していくのは私の知識だけでは難しいので、

 

”ふるさと加工パートナー” である ”ばねのスペシャリスト” に相談することにしました。

 

そこには匠の技術があります。巻きばねはお任せください!!

長年の経験と知識に裏付けされた匠の技術「手曲げ」加工に加えて、NC制御による自動巻きばね機により、試作から量産まで一気通貫が可能です。巻きばねでお困りの際は是非お問合せください!

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事情を説明すると、特殊材を多く扱う材料屋さんをご紹介してもらえることに!

 

私と材料屋さんで材質を選定し、決定次第 ”ふるさと加工パートナー” さんで加工するという流れで進めることになりました。

 

これぞ ”ふるさと加工ネットワーク” です!!

 

材料屋さんから提案された材質は、 ”インコネル” 、 ”ハステロイ” の2種類でした。

 

私は2種とも聞いたことのない材質でしたので、インコネルとハステロイについて調べました。

 

 

2種ともニッケル超合金で、耐熱性と耐食性に優れています。

 

ステンレスはクロムやモリブデンで不動態皮膜を形成するという特性によって優れた耐食性を持ちますが、

 

インコネルとハステロイは、クロムやモリブデンの含有量をステンレスよりも多くすることで、材質自体の耐食性を高めています。

 

かなり似ている両材質ですが、それぞれ特性を一つ挙げるとすれば、インコネルは耐熱性、ハステロイは耐食性にそれぞれ特化しています。

 

使用環境を改めてお客様へ確認したところ、高温環境ではないため、より耐食性に優れたハステロイをご提案できそうです!

 

次にハステロイの中でも特に優れた耐食性を持つ ”C22” と ”C276” に注目しました。

 

耐食性を高める要因となるクロムとモリブデンの含有量を確認してみます。

 

 

ステンレスの中でも耐食性に優れるSUS316と比較してもハステロイのモリブデン含有量がかなり多いことがわかります。

 

今回のキーポイントは耐食性なので、モリブデン含有量が多いC276を選定することにしました。

 

そうと決まれば ”ふるさと加工パートナー” さんへ加工の相談です!

 

そこには匠の技術があります。巻きばねはお任せください!!

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実はこのハステロイ、4つの理由により加工が難しい難削材と言われています。

 

・高温に強い

・加工硬化が生じる

・熱伝導率の低さ

・工具との親和性の高さ

 

これらが理由で加工をお断りする加工業者さんも少なくないようです。

 

巻きばねの加工は一体どうなるのでしょうか?

 

”ふるさと加工パートナー” さんでも加工の実績は無く、今回初めてハステロイの加工をしてもらうことに。

 

特殊鋼ということもあり、加工は一筋縄ではいかないのでは・・・との不安もつかの間。

 

”ふるさと加工パートナー” の職人さんから連絡が。

 

「ハステロイの巻きばね、できたよ!」

 

さすがです!これぞ匠の技術!!

 

「手曲げ」によりハステロイを攻略したようです!!

 

今回のばねではありませんが、 ”ふるさと加工パートナー” さんの現場風景です!

 

開発中案件のため、皆様にお見せできないのが残念です・・・

 

無事にハステロイの巻きばねをお客様へご提案することができました。

 

耐久試験も順調に進んでいるようで、一安心です。

 

今回のような ”材質選定から加工まで” も弊社にお任せください!

 

”ふるさと加工ネットワーク” を駆使してお客様のお困りごとを解決に導きます!!

 



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