”アルマイト処理”を含むアルミの切削加工品を短納期で対応せよ!!

アルミ

出典:https://www.shisaku.com/blog/anatomy/post-101.html

先日お客様より

 

「アルミの切削加工品が10点あるんだけど、急ぎでお願いできないかな?」

 

とのご依頼をいただき、ご希望納期をお聞きすると、

 

「できれば1週間で!アルマイト処理もあるけどいけるかな?」

 

・・・ハードなご依頼です。

 

図面を確認すると、表面処理は「白色アルマイト」「黒色アルマイト」「硬質アルマイト」・・・

 

アルマイト処理の中でも色々な種類がそれぞれ指定されていました。

 

仮に切削加工が早く終わっても表面処理業者への輸送や段取りで最短でも2~3日はかかりそうです。

 

というわけで、今回はアルマイト処理がネックになりそうです・・・

 

が、今回ワタクシ、実はそこまで焦っていません!!

 

なぜなら、以前当ブログでもご紹介した

 

”ふるさと加工ネットワーク” のアルミ専門加工業者さんであれば、

 

「切削加工~アルマイト処理まで」社内で一気通貫できるからです!!

 

 

「1日でも早く!」という案件では業者間の輸送を考えるとなるべく1社で完結したいところ。

 

とはいえ1週間は難しいか?と思いながら依頼を試みたところ・・・

 

なんと10点中、7点は1週間で仕上がり、残り3点も1.5週間で仕上がりました!!

 

さすがアルミ加工のスペシャリスト!!

 

本当にアルミに関することは何でも相談できます!!

 

今回、「アルマイト処理までを社内で一気通貫できること」が短納期対応のキーとなりました。

 

さて、私はこれまでアルマイト処理の案件では白色アルマイト処理が多く、たまに黒色アルマイト処理があったかな・・・という頻度でした。

 

以前当ブログで「ツヤ消し黒アルマイト」に関するブログを先輩ブロガーが投稿していますが、

 

 

恥ずかしながら私自身「アルマイト」に関する知識が乏しいため、

 

今回は「アルマイト」についてまとめました!

 

基礎的な内容がメインとなりますので、お詳しい方はご容赦ください・・・。

 

アルマイト処理とは・・・別名「陽極酸化処理」と言い、アルミを陽極で電解処理することで表層に酸化被膜を生成させる表面処理のことです。

 

ここで早速疑問が湧いてきました。

 

そもそもアルミに表面処理は必要なのでしょうか?

 

パッと思いつくのは、アルミは鉄に比べて錆びにくい材質のはず・・・

 

なぜならアルミは酸素と結びつきやすく、空気に触れると酸化被膜が形成される(自然酸化被膜)ため、錆びにくくなります。

 

が、鉄は酸化被膜を形成しないため、表面処理を行わないと時間の経過で錆びます。

 

なので、鉄に表面処理を行うのはわかるんですが・・・

 

更に調べると、先述したアルミの自然酸化被膜は非常に薄い皮膜のため、環境によって化学反応で腐食してしまうことがわかりました。

 

なるほど!

 

だからアルミも耐食性を上げるために表面処理で酸化被膜を厚くする必要があるんですね。

 

ちなみにこれまで私は鉄の表面処理は「めっき処理」、アルミの表面処理は「アルマイト処理」と決めつけていました。

 

実はこれ、大きな勘違いだったんです!!

 

「めっき処理」と「アルマイト処理」は同じ表面処理でも全くの別モノです!!

 

アルミにはアルマイト処理に加えて、めっき処理も行うことができます。

 

めっき処理とアルマイト処理の違いのひとつに皮膜の生成方法が挙げられます。

 

出典:アルマイト(陽極酸化処理)について | 株式会社ユニテ (unite.co.jp)

 

めっき処理はアルミ素地の上にめっき膜(金属)を生成しますが、

 

アルマイト処理はアルミに電流を流すことで表面の微小凸凹部が浸透(溶解)し、同時に酸化被膜が成長します。

 

これがそれぞれ浸透皮膜と成長皮膜となります。

 

と、言葉では分かりにくいので、図解でアルマイト処理の形成過程と構造を整理します。

 

出典:アルマイト処理のデジタルマイクロスコープでの観察・測定 | 化学・材料・素材業界 | マイクロスコープ拡大解析事例 | | キーエンス (keyence.co.jp)

A:空気中 B:電解溶液中 C:元のアルミ表面 D:バリアー層

 

1.空気中で2nm程度の自然酸化被膜ができます。

2.バリヤー皮膜が成長します。

3.10~20nmの厚さの孔があきます。

4.酸化と皮膜の溶解が同時に進行し、孔が伸びます。

5.電解時間に比例して皮膜が生成されます。

 

アルミ素地に傷がある場合、傷は凹となり凹が上述の通りに浸透するため、アルマイト処理によって傷が浮かび上がって見えることがあるそうです。

 

このように「めっき処理」と「アルマイト処理」は全くの別モノと言えます。

 

「めっき処理」と「アルマイト処理」の違いはわかりましたが、

 

アルミにも普通にめっき処理を行えば良いのでは?と更なる疑問が・・・

 

ここまでアルミの酸化皮膜について理解してきましたが、この酸化皮膜がめっき処理の弊害となっているらしいんです。

 

アルミの酸化皮膜によってめっき皮膜がアルミそのものに定着しにくく、めっき皮膜が剥がれ易かったり、そもそもめっき皮膜が付着しないということが主な理由です。

 

なので、アルミにめっき処理を行う際は酸化皮膜を除去する必要があり、この除去作業に手間がかかります。

 

余談ですが、ステンレスにめっき処理を行う場合も同様に酸化膜を除去しなくてはなりませんが、

 

過去のブログで詳細にご紹介しているので、良ければご覧ください!!

 

 

アルミの耐食性を上げるには難しいめっき処理を行わなくとも自然酸化膜を活かせるアルマイト処理で事足りるということになります。

 

ちなみに、アルミにめっき処理を行うことで、電気的特性を上げることができるため、アルミを導電材として使用することができます。

 

アルミの導電性は銅や銀には適いませんが、アルミには軽量性があるため、軽量の導電材として一定の需要はあるようです。

 

以上「アルマイト処理」について簡単ではありますが整理しました。

 

最後にアルマイト処理の代表的な種類について確認します。

 

 

求める機能に合わせてこの他にもさまざまな種類のアルマイト処理が存在しています。

 

冒頭でもご紹介しました通り ”ふるさと加工ネットワーク” のアルミ加工業者さんでは

 

「切削加工~アルマイト処理まで」一気通貫できます!

 

一気通貫ということは・・・

 

コストダウンも期待できます!!

 

アルミに関するお困りごとは弊社まで是非ご相談ください!!

 



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