お客様から ”スピンドルのスペックアップを図りたい!!” とのご相談が・・・。Part2

工作機械

出典:https://www.nsk.com/jp-ja/virtual-expo/machine-tools/products/

今更ですが、みなさま夏季休暇は楽しく過ごせましたでしょうか?

 

弊社は9連休でしたが、実は私後半の4日間は風邪でほとんどを寝て過ごしておりました・・・。

 

その間、高校野球をテレビで数試合見たのですが、(今まで私は見てこなかった人です・・・)

 

選手の全力プレーに物凄く感動しました!!

 

この日のために努力してきたんだろうな、と思うと心打たれ思わず涙腺が・・・。

 

私も日々の仕事に全力で向き合おうと改めて感じました!!

 

というわけで今回も高校野球のように熱く語っていきます!!

 

担当のお客様からの「スピンドルの回転数を上げたいんだけど、現行のアンギュラ玉軸受で問題ないか確認して欲しい」というご依頼に対し、

 

前回のブログでは、「回転数を上げる」をテーマに留意すべきポイントを解説し、お客様へ「セラ玉軸受」をご提案しました! 

 

そして今回は、「回転数を上げる場合は、荷重も検討する必要があるのかな?」

 

というお客様からのお問合せについて整理していきたいと思います!

 

より詳しい情報を入手するため、お客様へヒアリングさせていただくと、

 

「荷重の検討に加えて、現行のスピンドルをさらにスペックアップさせるために、軸の芯ブレを小さくしたいんだけど、前回提案してもらったセラ玉軸受で軸の芯ブレを小さくすることはできるの?」

 

またまたハイレベルなご質問をいただきました・・・。

 

お客様において現在検討されているスピンドルは工作機械の主軸であり、芯ブレは加工精度に大きく影響するため、芯ブレを小さくするための解決策をなんとかご提案したい!!

 

・・・と強く意気込んだものの、当時の私は解決策など見当もついていませんでした。

 

NSKさんに丸投げすれば回答を得ることができますが、またもや私のプライドが許さない!!

 

今回もNSKさんのお力をお借りしながら、とことん調べることにしました!

 

まずはお客様が最初に気にされていた「荷重」について整理していきます。

 

軸受にかかる「荷重」は、「ラジアル荷重」「アキシアル(スラスト)荷重」「モーメント荷重」という3種類の荷重に分類されます。

 

これらの荷重に耐えうる限界値を定めたものが「基本定格荷重」ですが、

 

前回ご提案した「セラ玉軸受(4列)」を使用する場合、想定される荷重に対して基本定格荷重値はクリアしていました。

 

荷重に対する負荷能力に関しては大丈夫そうです。

 

続いては、軸の芯ブレを小さくする方法を考えていきます。

 

何かヒントはないかとNSKさんのカタログを読み込んでいくと、

 

「剛性」と「予圧」・・・何やら今回のキーワードになりそうな予感です。

 

剛性とは、物体が外力に対して、元の形を保とうとする性質、外力に対する変形抵抗です。

 

う~ん・・・まだ分かりにくいので、もう少し深堀りしていきます。

 

軸受が荷重を受けると、玉と内輪及び外輪は変形し、荷重を取り除くと元の形に戻ります。

 

この変形量が小さいことを剛性が高いと言います。

 

軸受の剛性が高い→荷重がかかっても回転軸の位置のずれが少ない。

 

とあり、さらに読み込んでいくと・・・

 

軸の振れを抑制する目的などでは、組付けたときに負のすきまの状態で使用される場合があります。

 

このような状態を「予圧」といいます。

 

「予圧」を与えることでより多くの玉が内輪と外輪に接触し、その接触する位置による変形量が小さくなります。

 

出典:https://koyo.jtekt.co.jp/2020/01/column02-05.html

 

このように「予圧」を与えて軸心位置の変形量を少なくすることで「剛性」が高くなります。

 

なるほど!芯ブレを小さくするためには、剛性を高める必要があり、

 

剛性を高めるためには、予圧状態にする(すきまをなくす)ということがわかりました!

 

・・・が、予圧状態にすることでデメリットも存在するようです。

 

軸受は本来スムーズな回転のため、玉と外輪及び内輪との間にわずかなすきまを設けて使用しています。

 

しかし、このすきまをなくすことで前回のブログでポイントとなった「許容回転数」が小さくなってしまいます。

 

ですが、前回ご提案した「セラ玉軸受」で現行より「許容回転数」を大きくしているため、

 

「セラ玉軸受」を予圧状態にすることで、現行より「許容回転数」と「剛性」を上げることができます!!

 

結果、前回の「回転数を上げる」、今回の「荷重検討、及び軸の芯ブレを少なくする」というご依頼に対しては「予圧を与えたセラ玉軸受」をご提案することでお客様のお役に立てそうです!!

 

これからもお客様のお悩みを解決に導けるよう、日々精進してまいります!

 



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