高炉?電炉?違いをまとめてみました。
大分遅くなりましたが、阪神タイガース 日本シリーズ優勝おめでとうございます!!
最終戦は青柳が登板、若干の不安もありましたが、素晴らしい投球でした。
我が家も大騒ぎ!!残念ながらビールかけの様子は眠たくてリアルタイムでは見れませんでしたが、
夜中の特番を録画し、翌日視聴しました!
改めて38年ぶりの日本シリーズ優勝おめでとうございます!!!!
さて、優勝の余韻も冷めやらぬ今日この頃ですが、テンション高くブログを更新していきます!
以前、鈑金材料について加工業者さんと以下のようなやりとりがありました。
その加工業者さんは、お客様へ高炉材を用いた加工品を納品されているのですが、とあるきっかけで電炉材の使用の検討があったそうです。
が、お客様へ電炉材への変更承認を取ることが難しい…。といった内容です。
高炉?電炉?最近新聞などでよくみるワードですが、具体的に何が違うのかがよく分からなかったので、調べてみました。
ということで、調べた内容を記載していきたいと思います。ご存じの方はスルーください。
まず、両者の大きな違いは「精製方法」です。さらに「精製にともなう原材料」が違います。
ではそれぞれの特徴をお伝えします。
【高炉】
●原材料:鉄鉱石
●工程:溶鉱炉で鉄鉱石を溶かし、転炉で不純物除去などの成分調整を行い、様々な鉄鋼製品をつくる
※溶鉱炉と転炉の設備を合わせて高炉と呼ぶ
●国内使用量:75%(高炉+電炉で100%とする)
●価格:コストの7割が原材料のため、輸入材料高騰や為替の影響を受けやすく今日現在では高炉の方が高い
●品質:基本的には電炉・高炉とも変わらないといわれるが、高炉の場合は一から鉄を作り出すため、高級なイメージがあり、品質も高いと言われている
●高炉メーカー:日本には日本製鉄、JFEスチール、神戸製鋼所の3社しかありません
※高炉を新たに立ち上げると、5000億~1兆円程かかるため、メーカーが限られる
【電炉】
●原材料:スクラップ
●工程:アーク放電を人工的に発生させ、その際生じる放電熱によりスクラップを融解させ、炉内で成分調整を行い、様々な鉄鋼製品をつくる
●国内使用量:25%
●価格:一般的に原材料は高炉の原材料より高い
●品質:電炉メーカーの技術向上により、差は無くなってきている
●電炉メーカー:国内に60社ほどあるが、高炉メーカーに比べると規模が小さい。ちなみに電炉の新規立ち上げの場合にはかかる費用は数百億~1000億円程
以上、簡単ではありますが違いをまとめてみました。
また最近のトレンドとしては、今後は電炉の使用量が伸びるのでは?という見方が多いそうです。
そういった見方のキーワードは「脱炭素」です。
日本のCO2総排出量の14%を鉄鋼業で占めており、その9割が高炉メーカーになります。
電炉の場合、鉄鋼生産量1tあたりのCO2排出量は、高炉の約4分の1で済みます。
つまり、鉄鋼の生産を高炉から電炉へと切り替えていけば、鉄鋼業のCO2排出が減少し、国内全体の排出量削減に貢献できます。
ちなみに世界の鉄鋼生産量でみると29%が電炉になります。アメリカでは70%、EUは40%と日本より高い割合で電炉を使用しています。
日本では特に建築や自動車、家電などに高炉材が使用されており、電炉へ変更するとなると、スペックや価格、管理面などの乗り越えるべきハードルが非常に多く、なかなか電炉に切替えれない!というのが現状のようです。
が、脱炭素社会に向けた取組みは今後の必須課題だと思います。高炉から電炉への変更に加え、高炉・電炉メーカーの垣根を超えた再編などなど・・・今後活性化していくものだと思われます。
以上、「電炉と高炉の違い」をご紹介しました。読者様のお役に少しでも立てれば幸いです。
参考文献:鉄の生産を「高炉」から「電炉」へ:【SDGs ACTION!】朝日新聞デジタル (asahi.com)、高炉と電炉の違い (toishi.info)、簡単でわかりやすい!高炉と電炉の違いとは?メーカーが抱える課題も元鉄鋼マンが詳しく解説 – ページ 3 – Study-Z
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