アルミ鋳物の鋳造種類「砂型鋳造、グラビティ鋳造とは?」

砂型鋳造

アルミダイカストのメリットとして「大量生産向きかつ寸法精度が高い」ことが挙げられるとお伝えしました。

 

アルミダイカストに対しアルミ鋳物のメリットとしては「型費を抑え、小ロット生産向け」と言えます。

 

アルミダイカストの場合は金型を用いますが、アルミ鋳物の場合は「砂型」を用いることが一般的で、金型に比べイニシャルコストでは材料費&加工費の低減が可能です。

 

砂型はイニシャルコストを抑えられるため、複雑形状のアルミ加工品を手軽に製作できるメリットはありますが、もちろんデメリットもあります。

 

製作のたびに砂型を作りなおす必要があり、アルミダイカストと比べると正直手間はかかります。

 

人の手が介在する製法となるため、「大量生産には向かず、小ロット生産がメイン」と言えます。

 

ちなみに鋳物の成形方法は砂型鋳造、フルモールド鋳造、生型鋳造、金型鋳造、グラビティ鋳造など多くありますが、

 

今回は、案件の対象となった「グラビティ鋳造」と「砂型鋳造」について述べていきます。

 

他の鋳造方法に関しては、別の機会にご紹介させていただきます! 

 

まず砂型鋳造ですが、しつこい位紹介している通りメリットは「イニシャルコストの安さ」です!!

 

砂型であるため自由度が高く、小物~大物、複雑形状品まで様々な形状品に対応できます。

 

ただし、製作のたびに砂型を作り直し作業が発生するため、量産には不向きです。

 

また他のメリットとしては、型の修正を行いやすいことが挙げられます。

 

後ほど紹介するグラビティ鋳造では、金型を使用するため、金型完成し鋳造後に「この部分をこのようにしたい」や「この部分の強度を高めたい」などの後出しリクエストに応えることが難しいです。

 

が、砂型鋳造の場合はまず、砂型を作成するための元型である「木型」を製作します。

 

木型の由来・・・昔は木材をカンナやノミで削り製作していたため、その名残をうけ「木型」と呼ばれるそうです。

 

近年ではケミカルウッド(主にポリウレタンを使用し人工的に木材のような疾患を表現した素材)を用い、マシニングセンターなどの工作機械で製作されます。

 

金属と異なり、「木」なので追加工やパテ修正などが比較的容易に行えます。

 

次に「グラビティ鋳造」の特徴ですが・・・何より「製品強度の高さ」です!!

 

「グラビティ=重力」・・・つまりアルミの自重で金型に流れ込んでいきます。

 

圧力をかけず自重で流れ込んでいくため空気の入り込みを抑え、気密性が高くなります。

 

つまり空気の気泡が少ない鋳造方法であり、結果として完成後の「巣」が砂型と比べ少なくなります。

 

鋳物を成型するうえで、「巣」は常に悩みの種として付きまといます。

 

この巣を完全に無くすことは鋳物の製法上、不可能ですが、「グラビティ鋳造」では、他の鋳造と比べ少なくできます。

 

ただし、グラビティ鋳造のデメリットとしては「イニシャルコストが高価になること」です…。

 

形状にもよりますが、砂型鋳造の数倍は軽くします…。

 

イニシャルコストを高い順に並べると、アルミダイカスト>グラビティ鋳造>砂型鋳造となります。

 

ちなみに今回の案件では第一に「強度」が次に「コスト」が求められました。

 

イニシャルコストを抑えるため砂型鋳造で鋳造後に鋳物を熱処理することで強度の向上も検討しましたが、

 

鋳造後の仕上加工で「硬度が高く刃物が通らない!!」ことが分かり、断念しグラビティ鋳造を検討することとなりました。

 

また先にお伝えしました通りアルミに関わらず鋳物には様々な鋳造方法がありますので、事案が発生した際に改めてご紹介させていただきます。

 

以上、「アルミ鋳物」を検討される場合は、是非萬代へお問合せ下さい!!

 



株式会社萬代へは、LINEまたはZoomでもお問い合わせいただけます。
すぐに商談を行いたい!ざっくりとした見積を知りたい!こんな部品でも対応可能?などにご対応いたします。
お気軽にお問い合わせください。

 

 

人気の記事